北醇(ほくじゅん/マスカットハンブルグアムレンシス)
耐寒性のある山葡萄の交配種
北醇は「マスカット・ハンブルグ」というヨーロッパ種と、中国の華北・山東・東北三省に原生していた山葡萄「ヴィティス・アムレンシス」の交配種です。
1930年代に中国に輸入された「マスカット・ハンブルク」は、安定した収量と独特の芳香で栽培が広がりました。
しかし、華北・東北三省でのぶどう栽培は厳しい冬の寒さが問題でした。
この地域に原生していた「ヴィティス・アムレンシス」は野生のままで果実酒の原料に用いられていました。アムレンシスの名は中国とロシアの国境を流れるアムール川の両岸に原生していた所からこの名前が付けられたそうです。
この野生葡萄で作られた果実酒やぶどう液は濃い紫紅色で味は濃厚、一般に果実酒やぶどう液の着色に利用されていた、とのこと。
北京の中国科学学院植物研究所では、「ヴィティス・アムレンシス」の耐寒性に着目して育種を行い「マスカット・ハンブルグ」と「ヴィティス・アムレンシス」を交配、「北醇」という耐寒性の強い赤ワイン用品種を作り出しました。
私たちは普段「北醇(ほくじゅん)」と呼んでいますが、「マスカット・ハンブルグ・アムレンシス(MH-AM)」という立派な名前も持っています。
山ぶどうジュースとワイン原料
つきほし果樹のぶどうの中で、一番最初に芽がでる北醇。
4月、脱胞したばかりの新芽や展葉したての新梢は、霜で芽が枯れてしまったり、春先の強風で枝が折れたりと北醇にとって試練の月。
5月に入ると新梢はグングン伸び、5月末~6月始めには開花を迎えます。新梢が伸び、ぶどうの房も大きくなってくるとぶどう棚はかなりの重さを支えることになります。
40年以上この重みを支え続けているのは中柱の栗の樹。雨にも風にも雪にも今でも耐えてくれている縁の下の力持ちです。
山形県上山市のぶどう農家
つきほし果樹
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